知らないとマズい!美容師の給料が安い7つの理由とは?
どうも、サロンの求人を紹介する専門家のワタナベです。
まずは厚生労働省が公開した『業種別の年収データ』をご覧ください。
職業 | 年収 |
美容師 | 271万3900円 |
歯科衛生士 | 353万4300円 |
看護師 | 478万3100円 |
薬剤師 | 533万4900円 |
民間企業 | 420万4000円 |
この表を見れば、他の業種と比べていかに、美容師の給料が安いか、お分り頂けたかと思います。
美容師の就業時間は早朝〜夜中までが多いため、時給換算すれば『高校生のバイトレベル』にも満たないのです。
それにしても、「国家資格なのに、なんでこんな給料が安いんだろう…」って思いますよね。
でも安心してください。
美容師の給料に関するモヤモヤは、本記事を読めば解決します。
ではさっそく、『給料が安い理由』を見ていきましょう。
この記事のもくじ
美容師の給料が安い7つの理由
理由1、固定費を削りにくい
サロンを経営するにには、大きく2つの固定費が掛かります。
- 毎月の場所代(賃料)
- 美容器具のリース料金
表参道や原宿とか、都内であるほど『場所代』が高いのは想像付くでしょう。
またスタイリングチェアやシャンプーチェアは直接買ったら高いため、多くのお店はレンタルします。
これらの固定費は、一切売り上げに関係なく毎月同じ金額を取られるのが特徴。
今月あまりお客さんが来ないという月でも、固定費(場所代、美容器具のリース代)が発生します。
しかし固定費は下げれないため、標的にされるのが『人件費』です。
売り上げが好調なら良いものの、お客さんが少ない時は頭打ちになりやすいでしょう。
理由2、施術料金が安い
1000円カットが流行り、日本のデフレ傾向により、サロンの料金が下がってきています。
そのため自分のお店も値下げしないと、お客さんが減りやすいんです。
だって考えてみてください。
サロン予約のホットペッパーを見ても、以下のような宣伝が目立ちますよね。
- 新規限定¥○○
- 新規20%OFF
- ¥5800→¥5000
- リーズナブルプライス
割引するというのは、その分の売り上げも下がることを意味します。
売り上げが下がれば、当然美容師の給料も低くなります。
しかし、今の美容業界は値下げ競争に走る傾向が強く、解決策が見つかりにくいのが現状です。
理由3、サービスに見合った料金になってない
ほとんどのサロンはサービスと料金が見合ってません。
その理由は、美容師の提供するサービスを振り返れば分かります。
- 丁寧にお客さんの髪の悩みや要望をヒアリングする
- 高級なシャンプーで入念に髪を洗う
- 高い技術でお好みの『ヘアスタイル』に仕上げる
- お茶や飴(場合によっては傘まで)出す
- 完成したヘアスタイルの写真を撮って、インスタやブログに載せてくれる
- 丁寧にパーマやコテをやってくれる
- 2時間以上、掛けて施術する
こんなにも質の高いサービスを提供してるのにも関わず、美容師は安売りしています。
ハッキリ言いますが、サロンと1000円カットって全く質が違いますよ。
豪快にバリカンして10分くらいで済ませる1000円カットよりも、サロンの方が何倍も質の高いサービスを提供してますからね。
それなのに1000円カットに対抗して、安売りしているサロンが多いため、美容師の給料まで安くなる現象が起きてます。
美容師は高い学費払って専門学校に行って、講習代代を払って、夜遅くまで毎日練習してきたはず。
それで得た貴重な技術を『安売り』するのはどうかなと思います。
理由4、宣伝、広告費用が高い
とあるアンケートによると美容師の辞職率は、1年目で50%、3年目で70%でした。
また全国のサロン数は23万店舗で、コンビニの4倍以上あります。
という事はそれだけ、美容師を集めるにも、お客さんを集めるのにも苦労するということ。
美容師募集の広告、お客さんを集めるための宣伝に、莫大な費用を掛けなければ行けません。
しかし大手求人サイトは、サロンに対する広告費搾取がエゲツないです。
その上、求人を出した割に、募集が来ないケースが大半。
広告宣伝費にお金を持ってかれると、人件費を上げる余裕が無くなります。
理由5、口コミを高めるための費用が痛手
宣伝費を削減するためには、お店の評判、口コミが必要です。
全国にサロンが23万店以上ある中、いかに良い口コミを広めてお客さんを集めるか。
口コミを広めるために、美容師の接客や技術以外にも意識しないといけない事があります。
例えば以下の点です。
- 店内のBGM(高性能なスピーカー)を設置する
- 待合室に心地良いソファーを設ける
- 観葉植物やアロマを置く
- 内装のデザインを質の高いものにする
- 流行に合わせたスタイリング剤を購入する
これらを揃えるのに、当然お金が掛かりますよね。
しかし良い口コミを集めるためにどうしても必要になってくるため、経費にせざるを得ません。
こういった必要経費が根本原因で、美容師の給料相場が下がります。
理由6、個人の利益に見合った給料が反映されている
美容師の給料を上げたければ、個人の売り上げを出す必要があります。
自分で指名客を増やしてお客さんを呼べるレベルになれば、お店に売り上げが出せますからね。
しかし、給料が安いと言ってる人の多くは、あまり個人の利益が出せてないです。
例えばアシスタントはヘアカットが出来ず、指名客を持つことが出来ません。
アシスタントの仕事内容は、店内の掃除や洗濯、シャンプーがメインです。
雑用だけでは利益を出しにくいため、どうしても仕事に見合った給料になります。
以下の記事で、『スタイリストの給料平均』についてまとめました。
理由7、スタイリストまでの期間が長い
安い給料から脱出するには、スタイリストになるのが一番。
しかし一般的なサロンは、スタイリストになるまで平均3年は掛かります。
ところで3年以内に美容師が辞める確率70%のため、多くの美容師は給料の安いまま脱落してしまうんです。
まさしくこれが美容師の給料を下げてる原因。
アシスタント時代は給料が低すぎて、仕事が辛すぎて、スタイリストまで持たないケースが多いですね。
いかにアシスタントを早く脱出して成果を出すかで、給料の上がり具合が決まります。
以下記事で、『アシスタントを脱出する方法』についてまとめました。
まとめ
美容師の給料が安い理由をまとめます。
- 賃料などの固定費がバカ高い
- 低価格競争が過激過ぎる。(技術とサービスを安売りし過ぎ)
- 宣伝広告費が売り上げを圧迫してる
- 口コミを集めるための費用が高い
- 個人が十分に利益を出せていない
- アシスタント期間が長い
この様に様々な原因が絡み合っています。
給料が安い不満をオーナーのせいにしがちですが、実はそうとも限らないのを分かって頂けましたか?
売り上げが少ない割に多くの経費が掛かるため、従業員の給料を上げれないケースがほとんど。
もしあなたが十分に利益を出してるのにも関わらず給料が安いなら、別のサロンに転職するべきでしょう。
サロンで転職をご検討の方は、美容師専門のエージェントに相談するのがオススメです。詳細は以下記事をご覧ください。